2007年04月01日

純資産基準の読み方(資本と利益とクリーンサープラス)

純資産基準、読んでますか?

まあ、不意打ちってやつです。

会計基準は、ある程度意味がとれるようになってからどれだけ読み込むかで、勝負がきまります。

慣れて意味がとれるようになってもその後に全く読まないとサビます。

継続して読んでいるかが重要です。

会計基準が多くて大変ですが、通勤の方は電車の片道で一個の基準とか、スキマ時間を工夫して読んでみてくださいね。

私なんか毎日、法規集を一回ずつ読んでます。

まあ、ウソですが(←なぜ、ウソをつく?)。



株主資本等変動計算書の名前からもわかるようにどうも株主資本は大事らしいです。

今回は、なんで株主資本が大事なのかを耳慣れないだろう「クリーンサープラス」という言葉と共に考えてみましょう。

純資産基準や株主資本等変動計算書の理解にも影響のあるところです。

実際は、そんなに難しい話ではありません(たぶん)。

ただ、難しいと感じるのではないかと思います(私がそうでした)。

しかし、たぶん難しいと思うのは、単にはじめて聞くからだけの理由です。

こんなもんは、慣れです(←でも、こんなもんいうな)。

慣れ、です(←これホント)。



クリーンサープラスは、ややムリにでも訳せば、「キレイな剰余金」といったところでしょうか。

「汚い剰余金」はダーティサープラスと呼ばれたりします。

「剰余金」という語は、会社法で使用されていますが、これとまったく同義ではありません。

ムリにでも造語をつくるべきかもしれませんが、剰余金でいきましょう(あくまでも考え方の話ですので)。



利益が増えた → その分の剰余金が増える

これはいいです。

(期中処理)現金預金100 受取利息100

(損益振替)受取利息100 損  益100

(資本振替)損  益100 繰越利益剰余金100


クリーンサープラス(関係)とは、期首の純資産に当期の純利益を足すときちんと期末の純資産になる関係をさしています。

損益計算書の純利益が、貸借対照表の純資産にきちんと反映されている関係です。

でも、利益が増えたのに、剰余金が増えないとか、逆に利益が増えてもいないのに剰余金が増える。

そんなことがあるときちんとした資本の効率(投資家でいうと利回り)を示すことができません。

こんな関係は、ときにダーティサープラスなどと呼ばれます。




大事なのは、株主資本そのものというよりも「株主資本と利益」の関係です。

投資家から集めた資金(資本)と利益の関係が大事なんです。

この関係は、視点を変えて投資家から見た方がわかりやすいかもしれません。

100万円の投資をして、利益が10万円あれば、利回りは10%です。

100万円の貯金をして、利息が10万円つけば、利率は10%というのと同じです(ホントはちょっと違います)。

同じ100万円を預けるなら5%の利回り(利率)よりも、10%の利回り(利率)を選ぶでしょう。

利率や利回りが、いわば相対的な資金の増え方の効率を示していることがわかります。



この関係を企業の側で考えたのが株主資本と利益の関係です。

投資家から集めた資金(資本)をどれだけ効率的に増やすことができたのかをきちんと示す必要があるでしょう。

現状の財務諸表では、株主資本と純利益(当期純利益)がこの資本の効率を示しています。



資本と利益がうまいこといってる状態が、クリーンサープラスです。

従来は、このクリーンサープラスをじゃましていたものがありました。

その他有価証券の処理です。

その他有価証券は、時価評価されますが、差額は損益になりません。

ですので、資本の効率を考えるときには、これを資本に入れていては、じゃまなんです。

で、じゃまなその他有価証券評価差額金を純資産の中の株主資本からきっちり隔離する。

それでクリーンサープラスと呼ばれる関係を株主資本と純利益の間で維持しようという寸法です。

そんな考え方が背後にあることを踏まえて、純資産基準や株主資本等変動計算書基準を読むとよいのではないでしょうか。

基準には、クリーンサープラスという言葉は出てきませんが、株主資本と利益の関係が重要であることはあちこちに出てきます。

ええ、あちこちです。

ぜひ、探してみてください。



そうだ、会計基準を読もう!!(クリーンサープラスねえ←そ、それだけですか)
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2007年04月02日

自己株式等会計基準の読み方(自己株式の考え方)

自己株式等会計基準、読んでますか?

近年にたくさんの会計基準ができました。

たくさんです。

これまで日本には、日本独自の会計処理が多くありました。

たくさんの会計基準ができたことで随分と世界標準に近づいたらしいです。

でも、まだまだ世界標準とは異なる処理が行われているケースも少なくありません。

そして、この世界標準との違いは、試験に出やすいです。

たとえば、従来は繰延資産であった社債発行差金の出題はこれまでも多かったです。

これは世界標準が今の処理(社債額面からの控除等)で、繰延資産ではなかったことが影響しているでしょう。

自己株式もこれまで世界標準とは異なる処理(資産処理)が行われていました。

世界標準は資本控除です。



理屈は単純です。

いったん発行した自社株を買う訳ですから、その逆の処理でいいんじゃない?

それだけです。

そのこと(資本のマイナス)を資本控除と呼んでいます。


(新株の発行)
現金預金××× 資本(項目)×××

(自己株式の取得)
資本(項目)××× 現金預金×××


厳密には、発行した段階の資本金等をダイレクトに減らす方法も考えられますが、間接的に資本から控除します。

で、これまでは、資産計上であった(日本独自)けど、資本控除になった(世界標準)。

じゃ試験的にはどうなの?という話です。

まだ解決していない部分があります。

付随費用です。


世界標準は、資本控除です。

日本の会計基準は、営業外費用です。

この違いがある以上、出題も想定されやすいと思います。

おっと、その前に、まずは、自己株式がなぜ資本控除なのかをラフに確認しておきましょう。




そうだ、会計基準を読もう!!(自己株式の取得は、増資の逆だから減資に近いんですね)

2007年04月03日

自己株式等会計基準の読み方(構成)

自己株式等会計基準、読んでますか?

これが企業会計基準(企業会計基準委員会のつくった会計基準)の第1号なんですね。

第1号です。

しかもすでに2回改正されています。

平成14年にできて、2回です。

びっくりです。

はい。

たぶん日本新記録です。

つなげると「びっくり日本新記録」です(←つなげなくていいです)。

んっ。

いや、世界か。

いや、世界は遠いか(←どっちでもいいし、意味変ってますが)。




自己株式等会計基準の改正の時期(平成18年8月11日)を考えると実際の出題はやや早いかなという気がしないでもないです。

ただ、基準としての重要性は高いです。

平成15年に自己株式の出題がありますが、注意しておくべき基準の一つでしょう。

計算で自己株式をやった後の方がいいかもしれません。

って、どっちからでもいいですが。



まずは、本編部分の重要性を示しておきましょう。

1項(○):「資本準備金と利益準備金を合せて準備金」がしっかりすれば、いいかな。
2項(△):一読で終了
3項〜9項(○)
9項〜12項(◎):何らかの形で狙われる可能性があるかもしれません
13項〜14項(○):
15項〜18項(△):連結の学習経験のある方はどうぞ
19項〜21項(○)
22項(△):後で(○)かな
23項(△):一読で終了

まずは、本編部分の連結をとばして読んでみましょう。

文章が短いのがいいです。

はい。


そうだ、会計基準を読もう!!(本来的な重要性は高い基準です。←なんかみんな高いですな)

2007年04月04日

自己株式等会計基準の読み方(結論の背景)

自己株式等会計基準、読んでますか?

新しい会計基準の結論の背景部分は、私ごときが言うのは何ですが、とてもいいです。

最近、棚卸資産基準を読み直していますが、いいです。

41項なんかいいです。

いや、実にいいです。

ほれぼれします。

これは熟読の価値ありです。

37項もね。

オススメです。



あ、いや、自己株式等会計基準でした。

やはり、いいです。

もう、これで終了って感じです。

ただ、やはり長いです。

ズバリ、結論の背景の重要と思える部分をタイトルとともに示しておきましょう。

(1)自己株式
30項:自己株式の会計処理
32項:自己株式の会計処理の理由

(2)自己株式処分差額
37項:自己株式処分差益の取扱いの理由
40項:自己株式処分差損の取扱いの理由
42項:その他資本剰余金の残高を超える自己株式処分差損の取扱い

(3)付随費用
50項:付随費用
51項:損益計算書に計上する考え方
52項:取得費用を取得価額に処分・消却費用を自己株式処分差額等の調整項目とする考え
53項:付随費用の取扱いの理由

(4)資本金及び資本準備金減少差益
59項:資本金及び資本準備金減少差益の取扱いの理由

(5)資本剰余金と利益剰余金
60項:資本剰余金と利益剰余金の混同の禁止
61項:損失処理

(1)から(3)は、見出しをきちんとふって改行すれば、そのままテキストです。

ほぼ全文をマークでしょうか。

この辺は、時期の問題はあると思いますが、いつか出るでしょう。

(4)と(5)は、むしろ、資本と利益区別の原則と並行して学習するとよいと思います。

(5)は、私の好みです(で、でましたな、好み)。



そうだ、会計基準を読もう!!(うーん、結論の背景はいい!!)

2007年04月07日

企業会計原則の読み方(実現をのばす)

企業会計原則、読んでますか?

えっ、ちゃんと読んでますって。

うれしいですね。

感心です。

引続き読んでくださいね。


そろそろ理論の通常の講座との関連もわかったりして、読むこと自体さほど苦痛ではなくなってきたのではないでしょうか。

そんな状態なら重要な規定をつっこんで読んでみるといいかもしれません。

損益計算書原則一、一A、三B、貸借対照表原則一、五、注解15、18あたりでしょうか。

重要な規定は、例えば過去問を紐解くとわかりますが、頻繁に出題されています。

重点の置き方にも注意しながら企業会計原則をはじめとする会計基準と接するとよいでしょう。

重要な規定は、単に目をとおすだけではなく、何故?という視点をもつ。

むしろ疑ってかかるくらいでちょうどよいかもしれません。

それ以外にもたまに通しで、参照はコマ目にという感じでいきましょう!!

私も毎日読んでるよ♪(←ウソ?)




今回は、実現概念につっこみを入れていきます。

企業会計原則には、実現概念についてのきちんとした記述がありません。

その分、補足していかないといけないです。


実現は、第三者との客観的な取引を意味していました。

第三者との客観的な取引を基礎に収益を認識すれば、確実で客観的だからです。

このような考え方が、収益の処分(配当等)可能性とマッチしています。

商品販売の場合でいえば、それは、商品の引渡時点(+現金等の受領時点)です。

役務提供の場合でいえば、役務提供をきちんと終えた段階でしょう。

つまりは、実現=商品の引渡し(役務提供の完了)+現金・現金等価物(貨幣性資産)の受領 です。

このような考え方は、狭義の実現主義などと呼ばれたりします。




収益の認識は、確実で客観的なものに限定したい。

であるならそれ(確実性・客観性)が「ある程度」保てれば、収益を認識してもよいのではないか?

そんな考えもでてきたりします。

商品の引渡や役務提供の完了を待たずに収益を認識するケースです。

例えば工事進行基準です。

工事が終わって相手に引渡した段階で収益を認識する(工事完成基準)。

これはまさに(狭義の)実現主義そのものです。

でも、相手もしっかりしていて、請負金額もきっちりと決まっている工事もあります。

狭義の実現主義にいうほどの確実性・客観性はなくてもかなりの程度に確実で客観的に収益を見積ることは可能でしょう。

このような考え方のもとに認められている収益の認識基準が工事進行基準です。

工事進行基準が実現主義の考え(確実で客観的な収益を認識する)をじゃましない。

そう考えるなら工事進行基準も実現主義の一適用形態だと考える余地もあるかもしれません。

ただ、狭義の実現主義と比べるとむしろ発生主義による収益の認識といった方がよいでしょう。

発生主義の適用と考えた場合にもそれほど狭義の実現主義とバッティングする訳ではないことがわかると思います。



注解6では特殊商品販売の収益の認識が狭義の実現をベースにしています。

注解7では、工事進行基準と工事完成基準を選択にしています。

しかも、工事進行基準を先にあげているんですね。

なんか不思議です。

でも、その辺の意味もぼんやりと(所詮はぼんやりですが)見えてきそうな今日この頃です(今日この頃なのね)。



そうだ、会計基準を読もう!!(実現も深いです←アナタが勝手に深くしている気がしますが)
posted by 講師 at 22:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 企業会計原則の読み方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月09日

研究開発費基準の読み方(構成)

研究開発費基準、読んでますか?

これから定番となった感のある会計基準をみていこうと思います。

外貨建基準、退職給付会計基準、リース会計基準、減損会計基準、研究開発費基準あたりです。

これらの基準は、計算での重要性も高いです。

リース基準を除いては、ズドンという出題がありますが、きっちりいかざるを得ないでしょう(←いつもですな)。

会計基準は、重要な本文の規定をしっかりと読む。

そこから注解(おえる所でかまいません)にのばしましょう。

結論の背景や意見書部分は、理論での出題が想定されますが、なかなか骨もあります。

的を絞って短くてもよいのでいえる状態にしておくことが重要でしょう。

まずは本文です。

本文をしっかりと読むことが、第一問・第二問対策になると共に第三問対策にもなります。



はじめに研究開発費基準をみていきます(順序の意味は特にありません)。


本文の構成です。

一 定義
二 研究開発費を構成する原価要素
三 研究開発費に係る会計処理
四 研究開発費に該当しないソフトウェア制作費に係る会計処理
五 財務諸表の注記(△→○)
六 適用範囲(△)


それほど長い訳ではありません。

また、まるで重要性がない規定もありませんので、本文中心に読んでいきましょう。

とりあえず、五の注記と六の適用範囲は後まわしでもよいです。

注解は短いものが多いですので、あわせて読む感じがいいかもしれません。

計算のチェックにもなりますので、きちんと読んでいきましょう。




そうだ、会計基準を読もう!!(まずは、本文と注解だよ♪)

2007年04月11日

研究開発費基準の読み方(研究、開発)

研究開発費基準、読んでますか?

本文、注解ともに極めて難解という感じではないと思います。

特に計算の学習後はよいチェックになると思います。

しっかりと読みましょう。

で、読みにくいのが、最初の定義でしょうか。

会計基準における定義規定は大事です。

でも、研究開発費基準の「研究」や「開発」の定義は読みにくいです。

ここはインチキが一番です。

ええ、インチキです。

インチキ、バンザイ!!(←なんか料理番組ができそうですな。←できないでしょ)。




研究……新発見のための調査等

開発……研究の具体化


インチキすぎか?

いやいや、スタートはこのくらいがいいです。

まあなんか新しい事を発見する。

そのためには、研究です。

ええ、あれやこれや(「研究」)です。

新しいことを発見しただけでは儲け(ウハウハ)にはつながりません。

それを具体化(製品化)しなければなりません。

その具体化が「開発」です。


もう少しちゃんというとすると、


研究……新しい知識の発見のための調査・探求

開発……新製品等(既存製品等の著しい改良)のための新しい知識の具体化


という感じでしょうか。

このあたりまでふまえて、もう一度、基準の定義を読んでみましょう。

なんか前より読みやすくなってませんか。

ダメですか?

そうですか?

そりゃ残念。

おしまい(←お、おわりですか?)



そうだ、会計基準を読もう!!(理論の出題者である大学の先生は、研究が本職なんですよね)

2007年04月13日

研究開発費基準の読み方(意見書)

研究開発費基準、呼んでますか?

今回は、意見書部分です。

理論では既出です。

とにかく短くてもよいので簡単にいえる程度を目指すとよいのではないでしょうか。

そんな感じの理解が、計算でも役立つハズです。


やや抜き取りにくいですが、マーカー個所を考えてみました。

かっこ書は見出しです。

二 会計基準の整備の必要性
2〜3段落目:9行(研究開発費に係る会計基準整備の必要性)
4段落目:前半4行(ソフトウェア制作費に係る会計基準整備の必要性)

三 要点と考え方
2 研究開発費の発生時費用処理について
1段落目:3行(企業間の比較可能性の担保)
2段落目:7行(収益獲得の不確実性)
3段落目:6行(資産計上要件の客観化が困難)
3 ソフトウェア制作費について
(1):5行(制作目的別の設定理由)
(3)
A市場販売目的のソフトウェア
 イ 研究開発の終了時点:最後の3行
 ロ 研究開発終了後のソフトウェア制作費の取り扱い:最後の6行
B自社利用のソフトウェア:最初の5行

実際の出題を手許におきながら、一度は基準を読んでみるとよいと思います。

特に発生時費用処理の根拠はしっかりといきましょう。



そうだ、会計基準を読もう!!(根拠関連は、既出ですので、簡単にいえるようにしておくとよいでしょう)

2007年04月15日

研究開発費基準の読み方(製品マスターの制作費)

研究開発費基準、読んでますか?

まずは、本文です。

会計基準全般についていえますが、まずは本文です。

注解は意味のとれるものを追う感じでよいと思います。

研究開発費基準は、最初の定義規定が読みにくいと思いますが、がんばりましょう♪

慣れの要素も大きいです。

あとは意味をとりながら簡単にいうとどうなの?という感じで広げていきましょう。



今日は、本文での意味がとりずらい「製品マスターの制作費」についてです。

おっと、この制作費は、「製作費」じゃないので注意しましょう。

こんなとこ間違えちゃダメだよ♪(←やりましたな)。



製品マスターは、原本(原版)のことです。

ソフト自体は、コピーすれば、同じものがいくらでもつくれます。

そのコピーする元となる原本のことを「製品マスター」といいます。

その製品マスターの制作費が「製品マスターの制作費」です(って、そのままか)。

で、わかりにくいのが注解3で登場する「最初に製品化された製品マスターの制作費」でしょう。

この「最初に製品化された」というのがポイントです。

製品化されているということは、研究開発は終了しています。

そこまでの支出(最初に製品化された製品マスターの制作費)は研究開発費です。

以後の支出は、基本的に研究開発費ではないことになります。

研究開発の終了までが「研究開発→費用処理」で、それ以後が無形固定資産になります。



ちょっと固定資産の付随費用になぞらえて考えてみました。

固定資産の取得価額(原価)には、取得(事業に供する)までの付随費用が含まれます。

以後の支出(修繕費等)は、資本的支出を除いて、支出時の費用です。


(固定資産)
取得(事業供用)まで→取得原価
以後の収益的支出→修繕費等の費用

(ソフトウェア)
研究開発終了まで→研究開発費
以後の支出→製品マスターの取得原価等


ざっくりというとある時点(取得等と研究開発終了)で、

固定資産は、当初は資産で以後が費用。

ソフトウェアは、当初が費用で以後が資産。

関係性がひっくりかえっています。

まずは大きな流れを意識して、その後に細かい点をおさえましょう。

(細かい点)
研究開発終了以後でも著しい改良なら研究開発
研究開発終了以後でも機能維持費用は制作費ではなく、ただの費用



そうだ、会計基準を読もう!!(はじめから科目等をおさえるのではなく、大きな流れで考えましょう)

2007年04月16日

企業会計原則の読み方(実現をさらにのばす)

企業会計原則、読んでますか?

企業会計原則の相対的な重要性が低くなっていることは事実です。

しかし、新基準色が強くなった平成14年以後も企業会計原則関連からの出題は続いています。

繰延資産や引当金といった動態論における特徴的な項目の基本的な考え方が変らない以上、試験的にも企業会計原則はもういいよということにはまるでなりません。

しっかりと読みましょう!!



今回はしつこく実現をのばします。

実現概念は、狭義には、商品を引渡し(役務提供を完了し)、その対価として現金・現金等価物(貨幣性資産)の受領をもって収益を認識する考え方を意味します。

このように確実で客観的な収益の認識が、制度上の処分(配当等)可能利益の算定の観点からも要請されます。

狭義の実現概念のもとでは、第三者との客観的な取引があった段階で収益を認識します。

しかし、この実現概念は、歴史的にも拡大の傾向をたどりました。

もっとも拡大された実現概念は、実現可能(性)概念などと呼ばれます。

実現概念を実現可能な状態にまで拡大する考え方です。

実現可能概念の狙いは、既存の実現概念を借りながら、有価証券をはじめとする金融商品の時価評価(評価益の計上)を説明することにあるといってもよいかもしれません。

実現可能性概念のもとでの利益が包括利益といってよいでしょう。



概念フレームワークにおける収益(利益)の認識の考え方は「リスクからの解放」です。

リスクからの解放とは、投資目的に応じた確実な成果の獲得をもって利益を認識する考え方です。

リスクからの解放のもとでの利益概念が現在の純利益(当期純利益)です。



実現概念が拡大している点(狭義の実現→実現可能)、そして概念フレームワークでの実現に似た概念(リスクからの解放)の位置付けを把握しておきましょう。



そうだ、会計基準を読もう!!(実現、実現可能、そしてリスクからの解放。ややこしいですね)
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2007年04月17日

外貨建基準の読み方(評価と換算)

外貨建基準、読んでますか?

外貨建会計基準は、それほど長い基準ではありません。

まずは、本編の「一 外貨建取引」を中心に読んでいきましょう。

ヘッジ会計(一1ただし書、一2(1)ただし書)やデリバティブ取引(一2(1)C)に関する記述は後回しでよいでしょう。

あと、一2(1)A外貨建金銭債権債務のただし書(外貨建自社発行社債のうち転換請求期間満了前の転換社債の取扱い)は、取扱いが変っていますので、カットしてください。

大きくは、次のような感じです。


(1)取引発生時

(2)決算時

(3)決済時


まずは、いつのタイミングの話なのかをきっちり意識しておきましょう。

商品を買った(取引発生)。

決算をむかえた(決算時)。

買掛金を支払った(決済時)。



今回は、外貨基準のスタートとして、「評価」と「換算」の話です。

評価は、いくらの話でした。

換算は、いくらの話です(←って、同じかい)。

すごく砕いてしまうとどちらも同じになってしまいます。

が、ちょっと違います。

評価は、対象の大きさそのものを決める話です。

換算は大きさはもう決まっているけど、その単位(尺度)を変更する話です。

円だろうが、ドルだろうが、大きさそのものを決めるのが評価です。

ドル→円への変換が換算になります。


まずは、換算の意味を把握した上で、本編の一を読んでみましょう。



そうだ、会計基準を読もう!!(評価と換算は違うんですね)

2007年04月18日

外貨建基準の読み方(換算方法の概要)

外貨建基準、読んでますか?

まずは、本編の一をじっくりと読みましょう。

二の在外支店、三の在外子会社は、それぞれ計算で在外支店や連結の学習時にあわせてもう一度しっかりと読むという感じでよいのででしょう。

外貨基準は過去の理論でズドンという出題がありますが、いずれも視野に入れた出題でした(残念です)。

こちらもぜひ一度は、過去の出題を手許におきながら基準を読んでみてください。



今回は、外貨基準のメインともいえる期末換算方法の種類についてです。

外貨基準の本編にはそれほど記述がありませんが、意見書に部分的な記述があります。

過去の出題では、各方法の名称のみをあげさせる問題がありました。

外貨基準の理解の前提として試験委員の方が必要と考えているということでしょう。

期末換算の方法には、次のものがあります。

(1)流動・非流動法

(2)貨幣・非貨幣法

(3)テンポラル法(属性法)

(4)決算日レート法

流動・非流動法は、流動項目は決算時の為替相場で、固定項目は取得・発生時の為替相場で換算する方法です。

貨幣・非貨幣法は、貨幣項目は決算時の為替相場で、非貨幣項目は取得・発生時の為替相場で換算する方法です。

テンポラル法は、属性法とも呼ばれ、評価の段階での属性(時価か、原価か)で換算の指標を決める方法です。

時価評価された項目は決算時の為替相場で、原価評価された項目は取得・発生時の為替相場で換算します。

決算日レート法は、すべての外貨項目を決算日の為替相場で換算する方法です。

決算日レート法のみが単一のレートによる換算が行われます。

このためそれ以外の方法(複数レート法)に対して、単一レート法などと呼ばれることもあります。


歴史的には、(1)→(4)という流れて推移しているといってよいでしょう。

外貨基準では、次のように状況に応じて使分けているという感じかもしれません。

個別財務諸表の本店→貨幣非貨幣法

在外支店 →テンポラル法

在外子会社→決算日レート法

金融商品だけでも評価→時価、換算→決算日レート法なんていってくれるとかえってわかりやすいんですが、そんなに単純ではないらしいです。



そうだ、会計基準を読もう!!(換算方法の種類も意識しましょう)

2007年04月19日

外貨基準の読み方(本編の整理)

外貨基準、読んでますか?

会計基準の量は多いです。

大変ですよね。

でもコツコツと小さなことを積み重ねていると必ず芽がでます。

必ずです。

わからないことを無理矢理おさえるよりも、わかることやできることを一つずつ積み重ねていく。

わからないならとりあえず声に出して読んでみる。

そんな地味な努力を繰返して身につけた力は強いです。

ええ、強いです。

ジャンケンで言えばグーです(←全部同じ気がしますが、アナタの中の最強はグーなのね)。

グーです(←グーなのね)。



外貨基準のように取り扱いの分岐が多い場合は、取扱いを簡潔にご自分で整理してみるとよいと思います。

外貨基準には、見出しがついていますので、それを利用してすごく短く整理してみましょう。

他人の整理したものを見るのもいいです。

でも、一回は自分で整理してみる。

そして、それと他の人が整理したものを見比べてみるなんてことがとても理解にはつながります。

他人のやったことを見るのと自分でやるのとでは大きな違いがあります。

ぜひ、ご自分で「できるだけ短く」整理してみてください。

以下に私の整理を示しておきますので、ぜひ、ご自分で外貨基準を整理なさったあとに見比べてみてください。


一 外貨建取引
1.取引発生時の処理……取引発生時

2.決算時の処理
(1)換算方法
外国通貨……決算時
外貨建金銭債権債務……決算時
外貨建有価証券
 満期保有目的の債券……決算時
 売買目的有価証券・その他有価証券……決算時
 子会社株式・関連会社株式……取得時
 減損処理時……決算時
デリバティブ……決算時

(2)換算差額の処理
当期の為替差損益(有価証券の減損処理時は有価証券の評価損、金融商品の時価評価時はその処理にしたがう)

3.決済に伴う損益……当期の為替差損益


でも、冷静にみると子会社・関連会社だけが取得時ですね。



そうだ、会計基準を読もう!!(読みながら整理するのはとっても有益です。できるだけ短くというのがポイントだよ♪)

2007年04月22日

外貨建基準の読み方(意見書)

外貨建基準、読んでますか?

外貨基準の本編はそれほど長くはありません。

しっかりと読んでいきましょう。

通常の計算とのリンクが大きな課題でしょう。

理論でやっていること(基準)が計算とリンクしているか。

計算でやっている基本的なことを簡単にでも言葉でいえるか。

そんな感じで基準と接したいです。


注解部分で読みにくい規定があります。

意味のとりにくい所は流してかまいません。

意味のとりにくい所を棒暗記等しても効果は低いです。

まずは、本文。

本文をじっくりと読みましょう。



今回は意見書部分です。

ヘッジ会計との関連、在外子会社、在外支店をのぞけば、意見書部分で重要なのは、次の3箇所です。

二 改訂の基本的考え方
1 換算基準の基本的考え方
(1)6行
(2)2行半
(3)5行

ここは、大事なのでマーカーをしておいてください。

ややラフにいうと次のような感じでしょうか。

(1)外貨建金銭債権…………為替変動リスクがあるから

(2)満期保有目的の債券……金銭債権との類似性(為替変動リスクがある)

(3)売買目的有価証券・その他有価証券……時価評価の過程での換算だから


既出部分ではありますが、重要性は高いですので、短くいえるような状態にしておくとよいと思います。



そうだ、会計基準を読もう!!(本文はしっかり、注解は意味のとれるものを、意見書等はしぼって。会計基準全般のラフな接し方です)

2007年04月23日

概念フレームワークの読み方(読むべきところ)

概念フレームワーク、読んでますか?

えっ、まったく読んでないですって。

ええ、私もあんまり読んでません(←って、なんじゃそりゃ)。

いや、違った。

まったくはダメじゃないですか。

概念フレームワークは長いです。

で、概念フレームワークは、単独での出題というよりも、他の会計基準の理解につながるという感じです。

具体的な出題との関係でいうと財務諸表の構成要素の定義規定を前提とした出題等が考えられます。



概念フレームワークの理解を前提に他の基準を読むととても参考になります。

というか概念フレームワークをそのままひっぱっている所も少なくありません。

でも、全文を読むのはとても大変なので、ぜひ読んでおいて欲しい所を示しておきましょう。

見出しと簡単なコメント(かっこ内)を付しました。

概念フレームワークは昨年末に改訂されていますが、会計法規集の25版に収録されている改訂前のものを前提にします。

あげているものの中では大きな影響はありません。

経済的資源について、「便益の集合体」→「便益の源泉」とされている点。

リスクからの解放が書き改められていますが、不可逆を確実と読み替える程度でも充分だと思います。

いずれも根本的に変った訳ではありません。



討議資料「財務会計の概念フレームワーク」の公表にあたって
討議資料の役割
最初の3行(○):討議資料の役割

財務報告の目的
2項9行(○):財務報告の目的
3項9行(○):利益情報の重視
7項最初の2行(○):投資家の意義

会計情報の質的特性
1項7行(○):意思決定有用性

財務諸表の構成要素
1項(○):貸借対照表と損益計算書の役割
2項(○):定義する構成要素
4項(◎):資産
5項(◎):負債
6項(◎):純資産(連結未学習時は、連結部分をとばしてください)
8項(○→◎):包括利益
9項(○→◎):純利益
注2:支配(○)、経済的資源(◎、集合体→源泉)、同等物(○)

財務諸表における認識と測定
4項(○):認識
5項(○):測定
60項(○→◎):リスクからの解放の意義(不可逆→確実)

◎でも優先順位をつけました(ただの◎、と○→◎です)。

貸借対照表項目が先です。

いずれ具体的に想定されそうな論点を示したいと思います。

それまでに特に財務諸表の構成要素(定義)部分をしっかりと読んでおきましょう!!



そうだ会計基準を読もう!!(概念フレームワークの定義と具体的な項目をつなげられるかが勝負だよ♪)

2007年04月26日

概念フレームワークの読み方(資産概念)

概念フレームワーク、読んでますか?

全部とはいいません。

財務諸表の構成要素の定義部分中心でかまいませんので、読んでおきましょう。

概念フレームワークは、単独での出題よりも、他の会計基準との関連での出題が想定されるでしょう。

より具体的な出題の関係でいうと財務諸表の構成要素の定義を前提とした出題等が考えられます。

で、実際に具体的な出題との関連を考えてみました(力作です←自分で言うな)。

最も重要性が高いのは資産概念でしょう。

資産概念は、世界的にみても大きく違っていません。

出題しやすい項目の超有力候補です。

具体的な規定は、財務諸表の構成要素の4項と注2になります。



概念フレームワークでは、資産は「経済的資源」と定義されています(4項)。

経済的資源は、「将来のキャッシュの獲得に貢献する便益の源泉」です(注2、集合体→源泉に変っています)。

つまりは、「将来のキャッシュの獲得に役立つもの」を資産と考えている訳です。

そんな理解をもって具体的な資産項目を考えてみましょう。

静態論(売却可能な財産)と動態論(前払費用)との比較もあわせて考えてみました。

このような視点での出題が平成18年の公認会計士試験でありました。

同様に平成18年の全経上級でも出題されています。

こちらはむしろ繰延資産をメインとした出題でした。

よく出てるんですね。

って、えーっと、いわゆる「オドシ」ってやつです。



(1)繰延税金資産(税効果会計基準 前文二2最後の方の3行参照)
まずは繰延税金資産です。

繰延税金資産は、税効果会計の適用時に生ずる資産項目です。

繰延税金資産は、売却(換金)できる訳ではありません。

しかし、将来の法人税を減らす効果をもっています。

すぐにキャッシュにはならない。

でも、将来のキャッシュの獲得に貢献するとはいえるでしょう。

現金化できないので静態論のもとでは資産性なしです。

では、動態論のもとではどうでしょうか?

動態論のもとでの貸借対照表項目は、損益計算を行った残り(未解決項目)と考えられています。

このような意味での資産の典型が広い意味での前払費用(支出未費用)です。

繰延税金資産は、税金費用の前払と考えられます。

動態論のもとでは「前払いの費用として」資産性を持つといってよいでしょう。


繰延法と資産負債法の関係も視野に入れるとラフには次のように整理できるでしょうか。

静態論……資産性なし
動態論……資産性あり(前払税金費用)………繰延法
概念フレームワーク……資産性あり(将来キャッシュの出の減額効果あり)……資産負債法



(2)繰延資産(企業会計原則 注解15)
もう一つが繰延資産です。

静態論と動態論の考え方は、繰延税金資産と同様です。

売却価値を有しないので静態論のもとでは資産性なしです。

動態論のもとでは典型的な資産項目です(この点は注解15とテキスト等を参照してみてください)。

悩ましいのが概念フレームワークです。

繰延資産についてまだ新しい会計基準は公表されていません。

企業会計基準委員会のものでは「実務対応報告」での対処です。

ここでは注解15の考え方を維持しています。

ということは現状の制度的な取扱いは、資産性ありです(でも許容)。

概念フレームワークでは資産の本質をキャッシュの獲得への役立ちと考えています。

これを素直に考えるなら資産性に疑問アリでしょう。

繰延税金資産とは異なり、将来のキャッシュの獲得に直接的に貢献しているとは思えません。

同等物をのばーして考えればいろんなものが入ってくるんでしょうが、のばしすぎはいけません。

つまりは、すごく素直に概念フレームワークの資産概念を考えた場合は、資産性はどうよ?って感じでしょうか。

でも、制度上の取扱いは資産(可)です。

こういう所(筋道を通した場合と実際とが異なる場合)が実際の試験でも狙われやすいです。

同等物の考え方次第ではムニャムニャ(←ってなんだ。!!←うやむやでした)になってしまいそうな気もしますが、現行制度上は資産、でも資産性に問題ありです。



そうだ、会計基準を読もう!!(繰延税金資産や繰延資産の資産性に注目だよ♪)
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